巷で、まことしやかにささやかれていることがある。「この世界には“やぶれたせかい”という異次元がある」と。「やぶれたせかい」とは、この世界の裏側にあると言われている、この世の常識が通用しない異次元空間である。そこには時間は流れておらず、空間は安定していないという。そして、この謎めいた世界には、伝説のポケモン「ギラティナ」が生息していると言われている。
緊急特別企画:ポケモン四大ミステリーに迫る!
世界の謎を解くカギは、ポケモンにあった!
file.3 異世界 × ポケモン
異次元への行きかたが判明!?
「やぶれたせかい」の真相を探る!
「やぶれたせかい」に行くカギは、
伝説のポケモン!
我々は、実際にやぶれたせかいに行った人物が存在しているとの情報をキャッチし、すぐさま、友人の友人がやぶれたせかいに行ったというクリシスさん(仮名)に話を聞いた。
「友人の友人から聞いた話では、なんとか団とかいう悪いやつらが、今の世界を壊して新しい世界を作ろうとして、偶然発見したらしいですよ。シンオウ地方のテンガンざんの頂上にある、やりのはしらから行けるらしいです。とは言っても、伝説のポケモンのディアルガとパルキアの両方の力が必要みたいですけどね」
我々は、さっそくシンオウ地方のテンガンざんの頂上に向かった。頂上には無数の破壊された柱があり、大きな生き物が戦ったような跡が見られた。我々はあらゆる方法でディアルガとパルキアの呼び出しを試みたが、実現は叶わなかった。が、離れようとしたそのとき、スタッフの1人が祭壇近くで、黒い影がこちらを見ていたと騒ぎだした。近寄って確認しても特に先ほどと変化は見られなかったが、もしかすると、これは伝説のポケモン“ギラティナ”なのかもしれない。
「やぶれたせかい」の主 “ギラティナ”
とは?
シンオウ地方の神話を調べていくと、ギラティナは、もともとディアルガ、パルキアと同時に生み出されたらしい。が、古い文献を確認しても、暴れ者だったため世界を追われたということ以外の詳しい記述は見当たらなかった。調査が難航を極めていたところ、とある人物から匿名を条件にあるスナップ写真を見せてもらった。例のやぶれたせかいに行ったという人物が撮ったとされる写真が、これだ。
先日、やりのはしらで影を目撃したスタッフが言うには、この写真は目撃した影とかなり似ているという。スナップを渡した人物は、ギラティナはやぶれた世界からこちらの世界を静かに見つめており、世界の理を破るものがあれば、怒り狂ってやぶれた世界へと引き込むと言う。
我々は、今後もやぶれたせかいとギラティナについて、調査を継続していく。続報を期待していただきたい。
異次元とつながるポケモンを
多数確認
ポケモンの神話や文献などを調べていくと、新たに異次元とつながる能力があるポケモンが存在することが判明したので紹介する。
ドータクンは、古来より豊作の神として崇められてきたが、別世界への穴を空けて、そこから雨を降らしているというのだ。また、メガゲンガーは異次元に潜って隠れることができ、そこから攻撃できるという。フーパは、自身の持つリングを使い、離れた場所の物を取ったり、テレポートをしたりするが、これは間違いなく異次元を通っていると解釈できるだろう。また、異次元での活動ができるよう、人工的に開発されたポケモンもいる。ポリゴンZは、異次元空間での活動を目指して、プログラムを更新したという。だが、なぜか失敗し、挙動がおかしくなってしまったらしい。
これは、異次元からの人間に対する一種の警告なのかもしれない。決して、足を踏み入れてはならぬという……。
- サクジ
- というわけで、今回のテーマは“異次元”じゃな。昔から各地方には裏の世界が存在するというウワサが絶えんかったわけだが、今回具体的に“やぶれたせかい”の情報が出てきたことで、真相が一歩大きく前進したかもしれんな。
- ヒトミ
- ウフフ……、やぶれたせかいなんて、なんてステキな名前なのかしら……。きっと因果律さえ歪んでしまうのね……。
- オーヌキ教授
- 異次元に行ったなんて、眉唾もいいところですよ。友だちの友だちの話なんて、私の統計では97.8%デタラメですね。
- ヒトミ
- ……、残りの2.2%は……?
- オーヌキ教授
- 聞き間違いです。
- サクジ
- では教授は、やはり異次元は存在しないとお考えかのう?
- オーヌキ教授
- 当たり前じゃないか。科学的には何も証明されていない!
- ヒトミ
- 異次元は、気づかないだけで身近にありますよ……。
- オーヌキ教授
- なんだって? 証拠はあるんですか、証拠は!
- ヒトミ
- もちろん……。私の部屋の物も……、しょっちゅう異次元に吸い込まれて……、見つからなくなりますし……。
- オーヌキ教授
- それは、キミの部屋が片付いてないだけだろう!
- サクジ
- まぁまぁ! では、ギラティナらしき写真はどうかのう?
これは信憑性があるんじゃないかな。
- ヒトミ
- そうですよ……。あの禍々しい影……。ぜひ私のお部屋にもお呼びしたいものです……(恍惚)。
- オーヌキ教授
- あのね、あれだって、きっとトリックがあるんだよ。最近では画像加工技術が上がってきてますからね。先日、UFOだとか大騒ぎして持ってきた写真は、ジバコイルの画像を合成したものでしたからね! まったく許せませんよ!
- ヒトミ
- あら、ジバコイルなんて……。可愛くないわ……、ゲンガーにすればいいのに……。
- オーヌキ教授
- そういう話じゃないんだよ!
- ヒトミ
- あー、どうやったらウチにギラティナを呼べるのかしら?
確か、この世の理を歪めようとすると出て来るんでしたっけ。
では、いっそのこと、この世界消すことにしましょうか、呪いで(ニヤリ)。
- オーヌキ教授
- の、呪いなんて信じないからなっ! 信じないからなっ!
- ヒトミ
- あら、じゃあ教授から先に消しちゃいましょうか? えーっと、人を消す呪いは……。
- オーヌキ教授
- おっと、これから私は講義をしなければいけないのを、すっかり忘れていた! これにて失礼するよ!
- サクジ
- ちょ、ちょっと教授! ……行ってしまったようじゃ。
- ヒトミ
- さて、私もギラティナを迎えるために準備しますね。では、ごきげんよう!
- サクジ
- ……(成功しないことを、祈るばかりじゃわい)
見ていただいたように、異次元へとアクセスする能力を持つポケモンは多数存在する。現時点では、異世界に棲む“人間”の存在は明らかになっていないが、ギラティナのようなポケモンがすでに存在している以上、“異世界人”が存在しているというのは、荒唐無稽な話ではないのかもしれない。