02:マニアによるマニアのためのマニアっぽい「かいじゅう座談会」
知られざるかいじゅうマニアの素顔に、「座談会」という形で迫る……。とうだんするのは、「え? 座談会? 別にいいよ」と、快く応じてくれた2人のかいじゅうマニア。このコーナーで、みなさんは目撃するだろう。彼らがどんなすうこうな目的を持ち、どんな情熱を秘めて「かいじゅうマニア」を名乗っているのかを――。
話が進まないので、話題を変えて
「かいじゅうマニア」のファッションについて聞いてみました。
――そういえば、お2人は同じかいじゅうマニアなのに、衣装とかは違うんですね。
- ハヤタ
- へ? あ、ああ……
- リク
- そうだね……オレのこの着ぐるみ、こだわりの逸品なんだよ。
この下半身のパーツ、リザードンっぽいオレンジで、
「これぞ、かいじゅう!」って感じするでしょ!?
見てよ、この足のふくらみ!
――かいじゅうっぽい柄のTシャツも、いい感じですね。
一方、ハヤタさんは緑色の……どのポケモンがモチーフなんですか?
- ハヤタ
- 色はバンギラスに近いかもしれないが、具体的にコレっていうのはないんだ。 かいじゅうっぽいポケモンすべてを包括するイメージ、だと考えてくれればいい。
まぁ、となりの人とは違い、こちらはかぶり物つき。そして、どんなポケモンにも染まる、白い無地のTシャツ。どんな“かいじゅう”っぽいポケモンとも相性がいい、すばらしい衣装だと自負しているよ
- リク
- なんか、いちいち引っかかる言いかただね……
――かぶり物つき。夏の暑い日だと、なかなか大変な印象がありますが……。
- ハヤタ
- 蒸れそう、といってかぶり物を避けるかいじゅうマニアもいるのは事実。私も暑い日は、かぶり物を外すこともあるぞ。ほら
――お、それなら涼しそうですね。
- ハヤタ
- かぶり物しているヤツだと、ほかにも白いシャツに、リザードンっぽい色の、下半身の着ぐるみ+かぶり物、といった衣装を気に入っているやつらもいるな
- リク
- ほぉら! リザードンっぽい色! やっぱり人気なんだよね!
- ハヤタ
- ……といっても、リザードンだけが、かいじゅうっぽいポケモンではないからな。
個人的には気に入らないが……着ている着ぐるみには、みんなこだわりを持っている。それぞれが納得していればいいとは思うな
- リク
- じゃぁ、オレのファッションだって、いいじゃないか! どうしてオレのファッションだけ……
- ハヤタ
- 認められないね。その縫い目……手縫いじゃないだろう? つまり、ひと針ひと針に愛情を込めて生み出された衣装ではない、ということだ
- リク
- ! そこに気づくとは……だってオレ、手先が不器用で、ミシンを使うやりかたしか知らなくて……
――え? そもそも衣装を自前で作るのが、かいじゅうマニアの“当たり前”なんですか?
- ハヤタ
- 購入する人もいるがな。が、やはり衣装は手縫いに限る。
衣装を作るとき、あふれる愛を針の一刺し、一刺しに込めていく……手先が不器用だからと、この“愛を込める作業”を機械任せにする者など、私は真のかいじゅうマニアであると認めない!
- リク
- ぐぉぉぉぉぉぉ! わかってはいたけど、厳しい世界だ!
――一流のかいじゅうマニアは、衣装作りも一流ってことなんですか。いろんな特技を持っているんですねぇ。
ポケウッド「大怪獣」シリーズについて聞いてみました。
――なんか、リクさん、涙目になってますね……よほど悔しかったんでしょうか。 じゃあ、この話題はおしまい! 別の楽しいお話をしましょう! お2人とも、特撮映画はお好きですよね?
- ハヤタ
- 『共存戦隊ホウエンジャー』も、全話見ているしな!
――ホウエン地方でやっていた、戦隊モノの番組でしたっけ。
- リク
- オレ、ミシロクリムゾン役で、バトルごっこもやった!
※『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』より
- ハヤタ
- ほほう、勇敢熱血ヒーロー系か。私は、神経質で賢いカナズミアイボリーだな
- リク
- あれ、ヒロインじゃ……女役やるのかな、この人
――ま、その戦隊モノはさておき。じゃぁ、イッシュ地方の特撮といえば……。
- ハヤタ
- ポケウッドだな!
- リク
- もちろん行ったよ! 満喫しましたよ!!
――ご存じない方のために、一応説明を。
ポケウッドはポケモンの映画がたくさん撮影されている場所で、もちろんお2人が好きな特撮映画も、たくさん撮られています。
※『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』より
- リク
- 震えがくるようないい映画は、やっぱりポケウッド製だよね。オレのヤドンにも、映画のオーディション受けさせたいところだね。あの哀愁を秘めた眼差し……絶対いい演技してくれるよ!
※『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』より
- ハヤタ
- 私も、ニドキングをオーディションに出したいと考えたことがあるな。わざ「いちゃもん」を覚えさせて、共演するポケモンたちを手玉に取ってやりたいね
――共演者がずいぶん苦労しそうですが……そもそもオーディションなんてあるんですか?
- ハヤタ
- それは……答えられないな。「知っている人は知っている」とだけ答えておこう
――何だか、秘密組織めいた話になってきましたね。本当かどうかわかりませんが。
- ハヤタ
- それにしても……キミのヤドン、そんないい演技できそうか? 私のヤドンだったら、つぶらなあの瞳、確実にいい演技をしてくれるとは思うが
- リク
- ん? ナニかな? オレのヤドンに文句でもあるの?
- ハヤタ
- 別に文句はないが……キミのヤドン、ずいぶんと間の抜けた顔をしているなぁ
- リク
- へ? ヤドンってのは、もともと種族としてこういう顔でしょう!?
- ハヤタ
- そうか? 私のほうのヤドンは、知性あふれる表情をしてると思うぞ? これくらいの表情ができれば、すばらしい演技ができても不思議じゃないが……
――(うーん、違いがわからない……)。
- リク
- そこまで言うなら、いっそ勝負だ! いくぞヤドン!
- ハヤタ
- 返り討ちにしてやろう! いけ! ヤドン!!
――(ヤドンたちは、ぼんやり見つめ合っているようだ)。