02:マニアによるマニアのためのマニアっぽい「かいじゅう座談会」
知られざるかいじゅうマニアの素顔に、「座談会」という形で迫る……。とうだんするのは、「え? 座談会? 別にいいよ」と、快く応じてくれた2人のかいじゅうマニア。このコーナーで、みなさんは目撃するだろう。彼らがどんなすうこうな目的を持ち、どんな情熱を秘めて「かいじゅうマニア」を名乗っているのかを――。
かいじゅうマニアって、どんなトレーナーなのか?
謎多き人々の素顔とは?
――さて、お2人はかいじゅうマニアなんですが、“かいじゅう”ってテレビ番組とか映画の世界の存在ですよね? どうして、ポケモンバトルなど現実の世界でも、かいじゅうマニアを名乗ろうと思ったんですか?
- ハヤタ
- たしかに、かいじゅうとは、ポケモンをモチーフにして作られた“架空の存在”だ。
……が! 見た目、それぞれが持つ雰囲気、ドハデな技の数々……「このポケモンは“かいじゅう”と呼ぶにふさわしいポケモンだ!」と思えば、それはすでに「ポケモン=かいじゅう」と言えるのではないかね?
――えっと……どういうことでしょう???
- リク
- その説明じゃわからないと思うぞ。つまり、だ。
我々はかいじゅうをこよなく愛しているのであって、かいじゅうに似ているポケモンがいるから、かいじゅう愛が生まれたわけではない!
かいじゅう愛が先にあって、そしてかいじゅうと思えるポケモンがいた!故に我々はかいじゅうマニアである! こうだ!!
――……熱弁の割には、先ほど以上に意味がわかりづらいのですが……。
- ハヤタ
- 我々は特撮映画や番組がただ好きである、というわけではない。ポケモンバトルも熱く愛しているし、その戦いの中でも、自分が「かいじゅうマニア」であることを忘れない。
その結果、映画や特撮で感じられた燃えたぎる情熱――すなわち“かいじゅう愛”を、実際のポケモンバトルでも味わうべきだと考えたわけだ。そんな一流なこだわりを持ち、そして実行する者たちだけが、かいじゅうマニアと名乗れると思うんだよ。
まぁ……そうじゃない、“一流のこだわり”ってのを解さない、ナンチャッテなかいじゅうマニアもいるんだがな
- リク
- ……チラチラこちらを見ているけど、どういうつもりかなぁ? オレに何か不満でも?
――まぁまぁ、落ち着いて。ところで、かいじゅうマニアって名乗るのに、試験とか委員会とか、そういう組織とか決まりごとってあるんですか?
- リク
- そんなものはないよ。自分に恥じない“かいじゅうマニア”であればいいだけさ
- ハヤタ
- ……そうだな、たとえば私は、基本的に手持ちをガラガラとヤドンのみにしている。
あらゆるシチュエーションの戦いを、かいじゅうっぽいポケモンだけで戦っていたわけだ
――かいじゅうっぽいポケモンだけでバトルする……そんなこだわりかたがあるんですねぇ。
- ハヤタ
- まぁな。これこそが“一流のこだわり”ってことなんだよ。ところで……キミも手持ちはもちろん、すべて“かいじゅう”らしいポケモンばかりだよな?
- リク
- え、オレ? そうだね、こっちはマンムーとかカバルドンとかも手持ちに入れてて……
- ハヤタ
- おやおやおやぁ? マンムーにカバルドン? ぜーんぜん、かいじゅうっぽくないんじゃないかぁ?
- リク
- はい!? 大きくて力強くて、かいじゅうらしさあるじゃないか!
- ハヤタ
- もっと肌の質感とかさぁ、トゲトゲとかさぁ。
もっとあるだろう? “かいじゅう”的な感じのさぁ
――つまり、個人の見解で、かいじゅうっぽさ自体かなり違う、と。
- ハヤタ
- キミ、それってこだわりホントにあるの? そのくらいでマニアを名乗っちゃう人もいるんだねぇ
- リク
- こだわりガッツリあーりーまーすぅ!!
- リク
- だいたい、ポケモンバトルってバランスも重要でしょ!?
トゲトゲのやつばっかだと、バトルで活躍させるのも大変でしょーに!
- ハヤタ
- ひょっとして………ナンチャッテなの?
- リク
- 別にナンチャッテじゃなーいーでーすぅ! 立派な、かいじゅうマニアですぅ!!
――なんか、同じマニアでも、人によって意見はずいぶんと違うんですねぇ……。けっこう意外です。
そもそも“かいじゅう”っぽいって
何なの?
――じゃあ、ハヤタさんの考えるかいじゅうっぽいポケモンって、どんなポケモンなんですか?
- ハヤタ
- まぁ、鉄板だとバンギラスやサザンドラあたりだな。見た目からしていかにも“かいじゅう”って感じじゃないか?
――なるほど。対して、リクさんは?
- リク
- オレはもう少し、広〜い心で、“かいじゅうっぽい”認定をしているね。
大きさ――そうだな、カメラで下からの構図で写真を撮って、
「うほー! 迫力あるぅ!」
って感じたら、そいつはもう、かいじゅうっぽいポケモン! 具体的には、トリトドンとかも対象に入るね!
――え? トリトドンって、そんなに大きくないですよ?
- リク
- そ・こ・が! シロートの浅はかさなんだよね!
――浅はかって……ひどくありません?
- リク
- あのトリトドンの体って、骨がなくてグニャグニャなんだよ。しかも、一部がちぎれてもすぐに再生して元通り! ね、かいじゅうっぽいでしょ? そんな魅惑のボディを、下からの構図でカメラで撮影するとさ……こう、さらに「あっ、かいじゅうっぽい!」になるんだよね!
――うーん、こっちの言葉聞いてませんね、この人。
- ハヤタ
- そのこだわり、わからんでもないが、下からの構図で撮影で生きるといえば、サザンドラもいいのではないか?
- リク
- そそこは同意しましょう。下からの構図でさらに逆光――つまり太陽の光が、正面に来るように撮影することで浮かび上がる、サザンドラのシルエット……これは燃えるでしょう!!
- ハヤタ
- は? そこは逆光じゃないだろう? シルエットになったら、サザンドラのキバが見えなくなるだろう! せっかく頭が3つもあるのに!!
- リク
- 逆光こそが正義なのです!
- ハヤタ
- キバは外せない必須の要素だ!!
――まぁまぁ。マニアじゃない私としては、どっちでもいい話ですが……
でも、譲れないんでしょうねぇ、2人にとっては。